佐野恵美子さん
パリでショコラトリー「Les trois chocolats」を開業。日本メディアでも注目を浴びています。
渡仏を決意したきっかけは何でしたか?
実家は祖父の代からチョコレート屋をしていまして、祖父、父と福岡で76年やっているんですが、私が継げば100年続くお店になるのではないかと思って父に相談したところ、フランスで修行するのもいいのではないか、と言われて25歳の時に渡仏しました。
渡仏前に製菓の経験はありましたか?
大学を卒業してから3年間OLをしていたので、お菓子については全く経験がありませんでした。
トゥールを選んだ理由は?
両親からは一切金銭的援助は受けたいなかったので、パリだと物価も高くてどうしようと思っていたところ、このプログラムを見つけて、フランス語が学べて、専門学校で技術を学びながら現地でスタージュができるというのはとても魅力に感じて参加しました。
渡仏時のフランス語のレベルは?
Bonjourしか知らないほど、全くの初心者でした。25年間福岡からも出たことがなく、海外自体初めてでした。
プログラム修了後はどうされましたか?
プログラムでフランス語や技術を学んでスタージュをしたんですが、プログラム修了後ももっと学びたいという気持ちが強かったので1年づつフランスの他の地域に行ったのち、3年目にプラザ・アテネで働くことが決まりパリに来ました。その後、ジャック・ジュナンに行ったり、お店の立ち上げのシェフ・ショコラティエとして働いたりと色々な経験を積みました。
パリでお店を続けていくために心がけていることは何ですか?
ここは多くのパティスリーやショコラトリーがある激戦区なんですが、自分らしさとは何か、どうしたらお客様に喜んでいただけるかといったことを追求したところ、やっぱり自分は日本人であり、また女性という特徴を出せるようにしようと思い、多くの日本の食材を使ったり、お客様にプレゼント用に購入したいと相談されればラッピングに工夫するようにスタッフに頼んだり、また可愛らしさも忘れずに・・と長く愛される店になるように心がけています。
修了されたパティシエ留学プログラムについてはどう思われますか?
本当に素晴らしいプログラムだと思います。他に有名な製菓学校はパリや地方にもいくつかありますが、外国人としてフランスの国家資格CAP取得のためのサポートをしてくれるのはここしかないので、大きなメリットだと思います。
フランスの国家資格CAPを取得するメリットは何だと思いますか?
自分が起業して初めて実感したんですが、やはり起業するにもCAPがあると有利ですし今後フランスに残っていきたい、働きたいと思った時にビザなどの関係でも非常に有利です。これは日本にいた時はそういう資格について、どれだけメリットがあるかはあまり実感がなかったのですが、フランスでは国家資格を取ることは外国人であってもフランス人と同様の扱いを受けられるので、非常に重要であると感じました。
例えばフランスで就職活動する際にも「CAPを取得している」というだけでどのパティスリーのシェフもちゃんとした技術を持っていると認知してくれるのは非常に大きな違いがあると思います。
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